19XX年◯月×日
はじめて訪れた土地で、未知の生物と遭遇。猫のような哺乳類で、は
ん点模様を有するが、猫に特有の髭がない。温厚で
にげる様子がないため私はタッグの康彦と共に観察を試みた。驚いた事にこの生物は毒牙を持ち、牙からはキリ
ンやウシを含む偶蹄目の血液を検出した。この生物が自分より巨大な動物を捕食する習性があるならば、食物連鎖に
はんする発見となると共に、人類の天敵となる恐れもある。急いで
ヤマを降り、報告書を書いている最中、後頭部に激痛が走った。
すぐに止血を試みるも意識が遠のき、いまこれを書いている。私はもう、
ここまでか…
ここで手記は終わっている。
後日、犯人が逮捕された。
犯人の名は沢口靖子。現役の科学捜査研究員であった。