四角い雲を見下ろし、青い空を背に、ワルキューレを手足として、まさに!青い空を背に!積み上がる宇宙を羽として、わたし、流線に飛ぶは天使が、嬉々として、滔々と昇り行く先は、太陽。と思いきや、高まる気持ちに反して太陽は、わたしの目の前で!ガックシと沈んでいってしまった。血混じりに青赤く広がっていく夕焼けに背中の羽を切り裂かれてわたしは、陽を追うように落ちていった。さっきまで飛んでいたあの空は、落ちるわたしを見て嘲笑うように鐘を高く鳴らしている空は、あの空よりもっと暗く汚れていた。
「ああ、もう冬なんだな。」
思い出した寒さの中で鎮魂の響きに見送られながら、首から上からふわっと溢れ出た涙は、瞬く間に星付いた闇夜に紛れて見えなくなってしまった。悔しかった。
明日は、もう少し早く準備をしようと思った。目の前で消える太陽と涙がかわいそうで仕方がなかった。
わたしの目の前で消える太陽と涙がとってもかわいそうで仕方がなかった!