×○町元旦餅つき大会における事件の顛末
町長「今回皆さんに集まってもらったのは他でもありません、先日の元旦に行われた町内餅つき大会で、しめらせ役の佐藤さんが全治八ヶ月の怪我を負った件について責任の所在を問うためです」
現場責任者の酒井「私は毎年の通り運営していただけです。今回責任者ということで、一定の責任はとらせていただくつもりですが、原因のすべてが私にあるとは考えておりません」
町長「では、他の方に原因があると仰られるわけですか」
酒井さん「はい。それは給水担当の山崎さんです」
給水担当の山崎「発言致します。私は給水担当ではありますが、事件の際給水にはなんらの滞りもございませんでした。これについて証明できるものはありませんが、逆に滞りがあったと証明できるものでもありません。何故なら事件の際、スタッフ含めた参加者の視線は全て、実際に餅をつく担当だった後藤さんに集まっていたからです」
杵担当の後藤「回りくどいやり方は好みませんので単刀直入に述べさせていただきますけども、お集まりの皆さん、実際のところ杵をふるっていた私が犯人だとお考えになっていると思います。今回、その部分に関して反論させていただくためにこの場に赴きました。
皆さん、事件の瞬間をよく思い返していただきたい。衝撃的な事件でしたからその前後のことは曖昧になってしまうかもしれませんが、思い出してください……あの瞬間、モヤモヤさまぁ〜ずの撮影クルーが訪れていたことを!」
町長・酒井・山崎「!!!」
後藤「事件の時、クルーが訪れたことで現場は混乱状態でした。全員の視線がさまぁ〜ずに集まっていたと言えると思います。勿論、しめらせ担当の佐藤さんの視線も……しかし私は、杵担当として細心の注意を払っていた私だけは、撮影クルーに気付かず、餅つきに集中していました。その結果としてあの痛ましい事件が発生したのだと私は考えます、つまり……これは本当にお気の毒ではありますが、佐藤さんの自業自得なのだと」
町長「……よく思い返してみると、確かにそうだったかもしれませんね……」
酒井「我々の誰も、臼に注目していなかった。後藤さんにも、佐藤さんにも」
山崎「佐藤さん……どうして目を離すなんて愚かなことを……」
バン!!!
佐藤「ちょっと待ったーー!!!」
町長・酒井・山崎・後藤「さ、佐藤さん!?」
佐藤「この事件が私の自業自得なんて形で終わるのは納得がいかない、後藤の証言はデタラメだ!ここに、私の家族が撮ったビデオがある!これを見れば、蒙昧なあなた方にも事件の真相が分かるはずだ!」
後藤「……!!」
町長「さ、さっそく再生してみましょう!」
……………
………
…
犯人:大竹