ねこ鍋というのが巷で流行っているというのを聞き、鍋を色とりどりのペニス達で一杯にしていき、それら全てが一斉に鍋の中でウネウネ動いたパロディが動画で配信されたらきっと話題になるだろう
こう考えた私は手始めにAmazonで膨大な数量の電動ペニスを注文した。
後日Amazonからどっさりペニスが送られてくる訳だがその到着したペニス達を尻目に
庭の日陰で涼むようにして生えていたまるでペニスを写実的に表現したかのようなキノコを片っ端から引っこ抜いていき
Amazonのペニスと併せてそれら全てを鍋に放り込んだ。
ペニス達は鍋の中で悠然と立っている
ペニス鍋だ
あとは全ての電動ペニスに電源を入れるだけなのだ
高鳴る心臓を抑えつつ、ペニスのおもちゃ一つ一つに命を吹き込んだ
動いた
ペニス鍋だ
これが私の夢見描いたペニス鍋だ
私の頬を涙が伝う
だがしかし私は空虚だった
―――何かが足りない
ペニス達は鍋の中で狂ったようにくねり続けている
―――そうだ、煮込んでみよう
コンロを持ってきて、鍋に水を入れ火にかけた瞬間、
爆発した。
我が家が吹っ飛んだ。
爆発音を聞いた近所の人の通報のせいなのか警察が集まってくる
だが家は既に吹っ飛び、私だけがその場に立ち尽くしており、辺りには電動ペニスが散乱しているという余りに異様な状況だったため
表情が引き吊る警察にそのまま連行。事情を聴かれ私は含みを持たせた言い方で
「ペニスのコッテリ鍋焼きウドン…」
とだけ答えた
―――そうだ、私はこの時変わってしまったのだ
この時素直に「電動ペニス煮込んでました」って、
言えたなら
良かったのに