誰も居ないひんやりとした廊下。
ふと、背後に気配を感じた。
「ねぇ加藤くん、日直なんだからちゃんと掃除してってよっ!いつも注意してるでしょっ!」
振り向くと、いつものふくれっつらがそこにあった。
想っていたよりも近くに―
反射的に、そのとがった唇に、唇を重ねる。体が先にうごいた。
彼女の一瞬見開いた目がゆっくりと閉じていく―
「も、もうっ、こんなことしたってだめなんだからっ…」
左下の床を見つめる彼女のその悩ましげな目つき。
今度は抱きすくめるようにしながらさっきと同じようにする。
行き場を失って空に弧を描いていた彼女の手がしだいに僕の背中にまわっていく…
抱擁が解かれると、二人の間に気まずい空気が流れた。
先に場の重圧に耐えきれなくなった彼女から切り出す―
彼女「こ、今度からは、ちゃ、ちゃんと掃除してってよねっ!」
ビリー「そうだ!辛かったら休んでいい、だが諦めるな!」