生命力だけは強い輩の男が大仏の鼻の穴と同じ大きさの柱穴に挟まり動けなくなった
人権だけは守らねばならないので、男はおにぎりとMacBookを所望した
この状況で男はこの世の全てがその二つに集約されてることに自分で動揺した
世間体だけは気にしていたので柱の中で元来の性格を演じ続けるほど自分自身は削ぎ落とされ、ソリッドになっていく
男が誰とも喋らなくなって三日後、男が柱から抜け出していることに誰ともなく気付いた、大仏の姿も消えていた
大仏が男を連れて行ったのか男が大仏を連れて行ったのか、推測だけがそこのノートに積み重なっていくのである