わあしは小銭が欲しくて箸をねぶっているわけではない、味噌が好きで箸をねぶっているのだ。戯れに小銭を投げつけられた時、わあしはねぶっていた箸を並行に置き、小銭を一枚一枚拾った。一刻も早くこの時間が去ってほしかったからだ。おまあらは一連の所作を見て、一丁前に芸事のつもりだったのかと嘲った。耐え難かった。箸をねぶるという行為は、小銭をせびるという意味を持ってしまった。味噌が好きでねぶっていただけなのにだ。もう一つ、わあしが壁に耳をつけること、あれは共感覚によって城の構造を色分けしているのだ。直に馬がやってくるだろう。どうだ、小銭を貸してやろうか