はじまりは私の告白からでした。
懺悔室に閉じこもって、私は
神父だか牧師だかを待っていました。
くだらない。
全く同じものに二つも名前がついてるだなんて、
私はそれがとても嫌でした。
中学で 囚人 と呼ばれていた男が
うんこを漏らしたその日から
情操教育ヶ原 水面垂水ノ助 と呼ばれるようになりました。
私のことです。
うんこを漏らしたその日から
私は人を愛することができなくなりました。
一つのものに二つ名を付けるような動物が
憎くて憎くて堪らなくなってしまったのです。
動物
私は人間である。
私だけが人間だとそう思いながらも
うんこを漏らしてしまう自身の動物性を、
忘れられない。
私は人間
私は動物
また二つ名前が
私は首を吊ることを考えました。
死ぬ時は、人生の最後くらいは
ぴんと張る一本線になりその身を天に捧げようと。
動物の体、人間の魂を完全に分離する、
それぞれ一つの私になるために。
だからその前に告白しようと思ったんです。
うんこ漏らしてすみませんって懺悔しようと。
そして私は死にますと。
私は一つになると。
扉が開きました。
懺悔室に神父だか牧師だかが入ってくると
私はすぐに告白しました。
私はうんこを漏らし自身の動物性に気付きました。
私は私の中に動物としての私と人間としての私の二つがいることに気付きました。
私は一つになりたい。
私は私の動物と私の人間を分かつ必要があります。
私は死を選びます。
首を吊り縦に1を描き、
動物の体と人間の魂とを分かつ儀式を行います。
神父様、あるいは牧師様、
あなたにはそれを見届けていただきます、と。
告白しました。
すると神父だか牧師だかはこう言いました。
神父だか牧師「(採点中のみなさま、コメント欄に神父だか牧師だかのセリフを書いてください。この後の展開はみなさま次第です。)」
私は・・・!
はじまりは私の告白からでした。