一ヶ月後に控えたクラスマッチ。僕はテニスに挑戦する。
僕は運動音痴だから、毎日放課後に練習をした。
なぜか、密かに思いをよせているあの子が付き添ってくれた。
試合で勝てたら告白しよう、そんな決心を抱きつつひたすら練習に励んだ。
―――そうか、フラグが立つってこういうことなのか。
〜クラスマッチ当日〜
たった一ヵ月の練習で、それも運動音痴の僕が、なんとか試合をできるほどになっていた。
1対1出迎えた第3セット。一進一退の攻防を繰り広げ、デュースになった。
アドバンテージサーバー。僕はレシーブ。追い詰められた。
しかし、運よく相手が体勢を崩しボールは高く打ちあげられた。チャンスだ!
これを決めれば… 『パコンッ!』
気の緩みか、そもそも僕には難しかったのか、浅い角度で打ってしまった。
エンドライン付近で跳ね上がるボール。線審のジャッジはアウトだった。
―――そうか、フラグが立つってこういうことなのか。