八木(新米刑事)「大塚さん見てください。絞殺ですね」
大塚(ベテラン刑事)「ああひでえことしやがる。首すじにくっきりロープで和んだ跡が残ってるな。それでガイシャの死亡推定時刻は?」
八木「昨夜の21時から24時の間だそうです」
大塚「ちょうどみんなが和み出す時間帯を見計らっての計画的な犯行か」
八木「犯行当時の犯人の歌声が録音されたテープがこれです」
大塚「どれ、聞かせてみろ」
八木「はい」
ラジカセのスイッチを再生
ラジカセ「ふーるいアールバムめくり〜♪ ありがとーってつぶやいーた〜♪」
大塚「和むな」
八木「和みますね」
大塚「ん?おい八木!もっかい今のところ再生してみてくれ」
八木「えっ?何かあったんですか?」
大塚「いいから早く!めくり〜♪のところだ!」
八木「あっ はい」
ラジカセを巻き戻しふたたび再生
ラジカセ「ふーるいアールバムめくり〜♪ ありがとーってつぶやいーた〜♪」
大塚「な、なんてことだ」
八木「どうしたんですか大塚さん?」
大塚「そんなバカなことが・・・」
八木「めくり〜♪がどうかしたんですか!何が分かったって言うんです!」
大塚「八木、今日はお前、家に帰ってろ」
八木「えっ?なんでそんなこと言うんですか!僕も一緒に捜査を」
大塚「バカヤロー!いいから帰れと言ってるのが分からないのか!」
八木「だって・・・」
大塚「お前みたいな青2才が首つっこむ事件じゃないんだ。もう誰も和ませたくないんだよオレは」
八木「大塚さん・・・」
大塚はこのとき思った。この事件はオレが担当する最後の事件になるだろうと。