エビキラー佐代子はエビの背ワタをほじくる竹串を右手に持つことを大変好む。
実は先程から息子が風呂のタイルで漢字の書き取りをしているのだ(紙は腐るほどあるというのに!)
「殺したい!息子を殺してやりたい!私はどうすればいいの!」
神への祈りに力を込めれば込めるほど竹串が複雑に折れていく。
「ママー、いくらやっても宿題が終わらないよー」(風呂のタイルは宿題に無いからである)
「できない!エビじゃない息子を殺すなんて私にはできない!」
買ってくるエビ買ってくるエビ全て死んだエビで鬱憤が溜まっていく一方の佐代子。
「ピンポーン。エビです。売りますよ。」
「いりません。この罠め。」
ある夜、佐代子は「海老」の読み方をテレビで偶然聞いてしまう。
「海〜老〜蔵ォォーッ!」
「やめてー!ママー!(初めて名前で呼んでくれた!)」
市川でもないのに皮膚から背骨が突き出た無残な子供の死体が発見されたのはその翌日の事である。
久しぶりに我が家に帰ってきた佐代子の夫はこの惨状に崩れ落ちる(市川でもないのに)
家庭をかえりみない夫として近所に知られていたのだが、それには訳があった。
佐代子の夫は全身にガラコを塗りたくられて全てをはじく体にされていたのだ!(写真は、はじいた瞬間をとらえた物)