「だって……だって、しょうがないじゃないですか。私、全然子どもで、いつも困らせてばかりで、先輩は私のために色々してくれるのに、それなのに私は何にもできなくて……」
「そんなことない。俺だって、君にたくさんのものを貰ってるよ」
「でもっ……ほら、見てください。身長もこんなに違うんですよ。
……私からじゃ、キスもできない」
「……じゃあ、こうすればいい」
俺は階段を一つだけ下りた。 ←このため
「えっ」
「ほら、これで差なんてなくなった。そんなのさ、お互いがちょっとずつがんばれば、いくらだって乗り越えられるんだよ」
「っ! せ、先輩……っ!!」
初めての彼女からのキス。俺たちの物語が、今やっと始まりを告げた。