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私たちの結婚生活というのは冬の寒さで凍った湖のようなもので、2人で暮らしていく中で生まれる「家を建てたい」だったり「海外旅行に行きたい」みたいな欲望はその湖面に鋭い音を立てて伸びる樹氷のようなもので、そういうのってもう運命的に出来上がっていく情景であって、私たちの関係性に帰属するものでありながら決して干渉できないというところに戸惑いや不安と同時に楽しみを覚えるものであってほしいのに、この小人めがその湖面の上をスケートリンクで滑って、樹氷のてっぺんにガラスのような氷の玉を飾り付けて「はい完成!」みたいな態度でいることが、別に欲望を満たすことが出来た的な意味とつながるものでもないのは何と憎たらしいことよ