じっとりした嫌な風が吹く5月中旬東京は五反田。
俺は空き缶蹴飛ばしながら都会の雑踏を歩いてたのさ。
可愛いネーチャンでも引っ掛けようと思ってな。
その矢先、前方に困り顔のネーチャンがいたってワケ。
待ってましたとばかりに俺は「どうかされましたか」と声を掛けたさ。
パーソナルスペースへの闖入者をしばらく訝しんだネーチャンは、おもむろに口を開いた。
「思い出の詰まった10円玉を、落としてしまったんです」
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