園長はとっても不器用だ。それ故に孤独だ。
でもね、とってもやさしいんだ。
大好きなチョコアイスをうっかり落として泣いていたボクを見かねた園長は2リットルのチョコアイスをプレゼントしてくれた。業務用、質より量を重視するタイプなんだね。
多すぎて途中で飽きちゃったけど園長の気持ちが嬉しくて全部食べてしまった。さすがの園長も目をパチクリさせてたよ。
食べてしばらくすると急に視界が暗くなってばたりと倒れてしまった。
そう、僕はアレルギー持ちだったのだ。
ボクはそのまま命を落としてしまいお母さんは裁判に勝ち園長は前科持ちになった。
その日から平和だったひまわり園に怒号が飛び交うようになった。バカだのクソだのアホだの、大人たちが園長に汚い言葉を吐き、石を投げつける。(園長は脱獄をしています)
うるさい...うるさい!うるさい!うるさい!!!
ビュンビュンビュン
霊パワーで前科持ち園長に向かって飛ぶ石を必死でなぎ払う。
お前らなんか...こうなってしまえばいいんだ!
投石によって割れた窓ガラスを浮かせ、霊力で加速させる。
ビュンビュンビュン
生身の人間には避けられるはずもなくガラス片は奴らの喉元に突き刺さる。
同時に奴らが投げる石を防ぐことなど造作もなかったが本当の狙いは別にあったのだ。
気づかなかった。ジャングルジムの上に両手で大岩を持った男が立っている。雄叫びをあげた男の手から放たれた岩は100マイルの速度を持ち前科持ちの方向へ向かう。凄まじいパワーだ、なんとか軌道を変える事こそ出来たが今度はひまわり園の方に向かっている。
止めることなど出来なかった、そのまま女子トイレの辺りに着弾した。
やめるんだ、そこはうんちをする部屋なのだ。
れいかちゃんが死にました。
それからというもの園長はストレスが原因で急速に衰弱。でも衰弱してるなりに耐えてました。享年93歳、大往生でした。
それから3年後...
霊界で再開しコンビを組んだ俺と園長はメキメキと頭角を現し霊界中に名を轟かせていた。戦闘力では五本の指に入るらしい。
「ついて来れるか?園長」
「フォッフォッフォッ、腕が鳴るわい」
これまで色々なことがあったけど、後悔はしてねぇ!
だって1番大切なことに気づけたからよ!