ヒトデ「皆さん、本日はお越し下さいありがとうございます。」
人間 「いえ、こちらこそ。で、記者会見の内容とは?」
ヒトデ「では早速本題に入ります。」
人間 「はい、お願いします。」
ヒトデ「私たちをブーメランのように投げている輩が人間の中にいる
という話がですね、ヒトデ界で流れているんですよ。」
人間 「あー、それ多分俺。」
ヒトデ「マジか。」
人間 「マジだ。」
ヒトデ「え、何で投げんの?」
人間 「だってあんな投げやすい形状の生物他にいる?」
ヒトデ「お前にとって生物は投擲の対象か。」
人間 「うん。」
ヒトデ「いやいや、うんじゃなくてさ。投げないで?頼むから。」
人間 「マジか。」
ヒトデ「いや、こっちだって痛いんだよ?着地の時とか。」
人間 「やだ、ヒトデ投げたい。ヒトデだけを投げたい。」
ヒトデ「その飽くなきヒトデへの執着は何?」
人間 「だからさっきも言った通り投げやすいから。」
ヒトデ「じゃあ何?もし人が投げやすい形状だったら投げてた?」
人間 「いや、流石に投げてない。」
ヒトデ「何で?」
人間 「重いじゃん。んでヒトデ軽いじゃん。」
ヒトデ「仮の話だから重量の概念は置いて来い。」
人間 「まぁとにかくだ、俺はヒトデ投げたい。意味分かる?」
ヒトデ「分かるよ?分かった上で納得してないよ?」
人間 「ヒトデ風情がうるさい。納得しろ。」
ヒトデ「もうヒトデ界の意志は断固として受け付けない姿勢か。」
人間 「俺は今後もガンガンヒトデ投げてくからね。」
ヒトデ「お前凄いよ、ある意味世界狙えるよ。」
人間 「ヒトデ投げの世界ならもう見てきたよ。」
ヒトデ「何?ヒトデはもう人類にとって忌むべき対象なの?」
人間 「マジ凄かった。ホント世界って広いわー。」
ヒトデ「そこまでやんなきゃ気ぃ済まない?もう共生とか無理?」
人間 「少なくとも俺らとの共生は無理かな。投げちゃうし。」
ヒトデ「もう投げるの止めるとか無理?ヒトデを代表して言うけど。」
人間 「絶対に無理だね。もう俺の人生と化してるもん。」
ヒトデ「他人から見てそんなに残念な人生無いよ。」
人間 「ヒトデが人間の人生否定するのか?」
ヒトデ「それ以前にヒトデの生活も考えて?一応生きてるんだよ?」
人間 「そんなモン関係無ぇ。」
ヒトデ「あーあーあー、とうとう言っちゃった。」
人間 「とにかくだ、俺はこれからもヒトデを投げる。」
ヒトデ「なぁ、今ちょっとふと思ったんだけどさ。」
人間 「何?」
ヒトデ「もしヒトデがこの地球上から消えたらどうする?」
人間 「もう何も投げない。」
ヒトデ「何で?何かを投げなきゃいけない人生なんじゃないの?」
人間 「投げるだけの人生なんて空しいだろ。」
ヒトデ「あんた今すぐに死ぬ事を提案するよ。」