「還暦に届くか届かぬかという頃合いの女が五分刈りのような髪型でいい気になって、青のジャケットコートを羽織って我が物顔で道の真ん中を歩いている。お前は世の中の物事が自分を中心に回っていると思っているんだろう。
お前はここに来て数日で全てを思い通りの環境にしようとしているようだが、行いの全てが荒く、周囲の人間を苛立たせる。もし、これが続くのであるならばやはりこの女は殺されるべきだろう。お前のような女はゴキブリのようにしぶとく、生き残り、人に害を与え続けることを私は知っている。だから何者かによってこの女は殺されなければいけない。雨に打たれ、坂を上り、彼らが努力して築き上げた此れをお前のような詰まらない人間に壊される道理は何一つ無いのである。調和を乱す者は何者かに殺されなければならない。至極当然のことであり、これ自然の摂理と説く。」
「この世は全て人と人との恨みごと。罪を憎んで人を憎まず。全ては時の流れに身をゆだね、物事の移りかわりを我が眼(まなこ)にて見届けること、これこそが正しく静(=生)であり宇宙の真理と説こう。」