「諸君、本日は我が夫にして魂の理解者、優について語りたい!!
皆も知ってのとおり、優と書いてまさるではない、そのまんまゆうだ、なんてなよなよしてるんだ!! が、そこがまたいい。
思えば奴が16の頃から目を付け18になった途端喰らい尽くしたのが今に繋がった。
もちろん嫌がるあいつをな、そこ、鼻息が荒いぞ。
さて、この映像を見て貰おう。どうだこの寝顔!! もう27歳になるがどう見ても20前後としか思えぬ寝顔だ!! 何という幼さ、そこの主婦!! 鼻血を噴くなぁぁ!!
いや、大いに結構、わかってもらえたな。だがまだまだ甘いぞ!!
次に優の会社での風景だ。これは社員Aに手伝って貰った、礼を言う。
見よ、平日の仕事中でもニコニコとまるで太陽だ!! そこの女性社員!! よだれを垂らすなぁぁ!! おほんっ映像に言っても仕方がない……ってそこの主婦、鼻血だけじゃなくよだれを噴くな!!
さぁ最後に、休日の子供との映像だ。息子も奴に似て本当に可愛らしい。将来が楽しみ過ぎだ。そしてこの二人の組み合わせ、どうだ、堪らんだろう!! そこの主婦ぅぅぅぅ!! 耳からも鮮血を吹き出すな!!
まだまだ映像はあるのだが、これ以上見せるとキリがない。そんな不満げな顔をするな。特別大サービス、丸々10時間以上にも及ぶ映像集に映像特典、さらにはボーカル曲まで付けたDVDセットをこの集会終了後、玄関前で販売する!! 静粛に!! お値段据え置き7980円!! 何? 高すぎる? うむ、たしかに高いな。よし!! あたしも鬼じゃない、今なら特別価格!! 1780円だ!! そこの主婦ぅぅ!! 気を失うなぁ!!」
妻による、ご近所どころかこの街の女性大半に対する演説が繰り広げられていた。
――涙が、止まらなかった。