熊「グォオオオオ〜」
父「しまった、ついに熊を見てしまったー」
バタッ!!
息子「と、父さん?」
母「……」
息子「え?何で父さん動かないの?」
母「……」
息子「母さんは知ってたんだね?」
母「……」
息子「父さん、熊見たら死んじゃうの知ってて山登りに来たんだね」
母「違うの。違うのよ、トオルちゃん」
息子「いいわけなんか聞きたくない!!」
母「う…ぅう……信じて……トオルちゃん」
息子「うるさい、黙れ」
母「うひひひ……あんたも父親そっくりね」
息子「!!」
母「ええ、そうよ。私はあいつが熊を見たら死ぬのを知っていた」
息子「いつから知ってたんだよ?」
母「ディズニーランドで熊のプーさんいるでしょ。あいつはあれを嫌がった。その時ピンときたね。あいつは本物の熊を見たら死ぬってね」
息子「それだけで?」
母「んなわけないだろ。私は後日あいつにリラックマの抱き枕をプレゼントしたんだよ。うひひ…そしたらどうなったと思う?」
息子「まさか」
母「リラックスするどころか全身筋肉痛だよ」
息子「どうしてそこまで?」
母「あいつが憎かった。私と結婚して私の目の前で幸せそうに暮らすあいつがとにかく憎かった」
息子「母さんは父さんを……うっ!!!!」
バタッ!!
母「うっひひひ……やっぱり親子だねー。あんたも熊を見たことには変わりないんだよ」
熊「グォォオ」
母「何見てんだい?主人も息子も死んだ。これでチャラだよ、とっととお帰り」
ドドドドッドドッ………
父・息子「やれやれ、さすがに疲れたな」
母「私、ホリプロ入ろうかしら?」
三人「わははははは」
……ドッドドドドドッドド
熊「グォオオオオ」
母「いやぁあああ、熊よおおおお」
バタッ!!!!!!!