悪魔谷校長が天国から無理やり連れてきた良奴田先生は結局クラスの問題をひとつも解決できないまま卒業の日を迎えた。
良奴田先生(くそ、俺にもう少し力があったら・・・こいつらには胸を張って卒業してほしかった・・・くそっ・・・くそぉぉ)
バタっ
悪魔斉藤「おい、良奴田が倒れたぜ」
悪魔田中「死んだら笑えるな」
生徒全員「ハハハハハ」
悪魔斉藤「あれ、良奴田の頭になにかあるぞ?」
小悪魔真美「もしかして、わっかじゃない?」
悪魔斉藤「ばーか。あれは天国の人間だけに付いてるもんなんだぞ。それに天国の人間がこんなところに来たら最悪、完全に消滅しちまうこともあんだぜ?」
小悪魔真美「だから倒れちゃったんじゃないの?」
悪魔斉藤「わざわざ天国の人間がこんなところに来る理由なんてひとつもないだろ」
小悪魔真美「……」
悪魔田中「……そういえば、俺が靴を隠されたとき良奴田の奴一緒に探してくれた」
悪魔優衣「……私がレイプされたとき朝まで話聞いてくれた」
詐欺師鈴木「……俺が告訴されたとき弁護士探してくれた」
小悪魔真美「ねぇ?もしかして良奴田って……」
悪魔斉藤「真美、それ以上言うな」
小悪魔真美「良奴田は自分のことより私達のことを一番に考えてくれてたんだよ」
悪魔斉藤「……」
小悪魔真美「斉藤ごめん、私……」
悪魔斉藤「真美、そんなことしたらお前も」
小悪魔真美「うん、わかってる。でも良奴田に教えてもらったから。ここで無視したら私、胸を張って卒業できないよ」
悪魔優衣「真美、私もやるよ」
詐欺師鈴木「俺も」
悪魔田中「あーぁ。お前らだけじゃ安心できないな」
その他「俺も!私も!うちも!僕も!」
小悪魔真美「みんな……」
悪魔斉藤「勝手にしろ!!」
小悪魔真美「斉藤、ごめんね」
悪魔谷校長「聞かせてもらいましたよ」
小悪魔真美「悪魔谷!!」
悪魔谷校長「皆さんの考えはすばらしい。しかし今日は卒業式。たとえ良奴田先生が倒れようとも勝手に教室を抜け出すことは許せませんな」
小悪魔真美「でも、このままじゃ先生が」
悪魔谷校長「先生?今頃そんな風に呼んだって彼の耳には届かないでしょう。いいからそこに座っていなさい」
ぐおおお
悪魔谷校長に体当たりをしたのは、悪魔斉藤だった。
小悪魔真美「斉藤!」
悪魔斉藤「俺のことはいい!早く良奴田を病院に!!」
小悪魔真美「……うん!!」
こうしてクラスがひとつになった瞬間、良奴田先生と生徒達は一人残らず天国へと消えてしまった。
悪魔谷校長「良奴田先生。あなたの生徒達は無事卒業しましたよ。今頃そっちで楽しんでいるのでしょうね」
悪魔谷校長はまだ強く残る体の痛みを大切に胸にしまった