アヒルの子に転校してきた。
彼のお道具箱とピアニカは他のアヒルの子とはメーカーが異なり、そのわずかな差異を気にしては顔を赤らめていた。また、方言の名残だろうか?しばしば語尾に不自然な抑揚があり、不意にそのしゃべりが出るたびにもじもじするのだった。
クラスメイトはそんな彼を馬鹿にするどころかむしろ気遣い、そんなの気にするなよ、それも君の個性さ、と励ました。
しかし後日、それらのみんなとは違う教材はすべて、彼が年の離れた兄から無理やり借りたものであり、本来の彼のものは他の子供たちと同じものであるとこが判明した。また、以前は隣町に住んでいたことも分かり、言葉もほかのアヒル達と一緒であった。すべて、別段目立つところがない彼が転校生として注目を浴びたいがための自作自演だったのである。
やることが小さい&汚い。
このエピソードをきっかけに、彼は皆からみにくいアヒルの子と呼ばれるようになった。