いややわ〜コイツマジで痛いからな〜本気でやりよんもん。あ〜これ持ってるナイフでいったらヤバイんだろうなー。洒落なんないんだろうな〜。あーゴングなっちゃったよ〜。うわーおっきい声出すなよ〜・・
うわ、殴ってきた。痛えええ〜〜。うわーやりかえしたけど絶対効いてないわ〜・・。
あ!!あ!すげえ痛いこの関節!!これは、、え〜もーー・・
ザクッ
うわっ!!パンツの中に入れてたナイフ刺さったやん!どうしよ〜〜
めっちゃ痛がってるやん〜・・うわ!痙攣しだした!!なんやねんも〜・・
レフェリーめっちゃ怒ってるやんー・・うわーー
あ!痙攣止まった!あんまりほったらかしてるから痙攣止まった!
いやいやいやいや!!もう〜・・観客逃げすぎ!!ほんでこけてるし!!笑えよ!!
え〜なんなんこれ・・俺めっちゃ怒られてるやん・・
え!?ちゃいますって!!殺す気は無かったですって!マジで!
え?じゃあなんでナイフ持ってたかって?・・これはアレですよー
試合のね、見せ場の一つとしてね、リンゴをね、剥こうと思ってたんですよ。
ほんまですって!嘘じゃないですって!え?じゃあリンゴ見せろって?・・
いや、それは無理っすわ。だってセコンド逃げましたからね。あいつがリンゴ持ってたんですわ。
え?じゃあ渡したるから剥けって?いや、まあいいですよ!
うわーマジで渡されたよ・・え?はいはい今やりますからね!見ておいてくださいよ!
サラサラサラサラ
ね!マジでしょ!すごいでしょ!これでいいでしょ!僕は帰りますよ!
え!まだなんかあるんですか!?もうしつこいねん!!エイッ!!
キュッ
こうして僕は一日に2人もの人間を殺してしまった。一人はナイフで、もう一人はリンゴの皮で絞め殺したのだ。
しかしまさかこんな場面で私立リンゴの皮を剥く学園に通っていたことがプラスに働くとは思ってもみなかった。
この一件の感謝を述べに久しぶりに母校に帰ってみると、やはり皆リンゴの皮を剥いていた。色々と見ているとリンゴの皮で相手を絞め殺している最中の僕の姿が銅像になっていた。びっくりした。
校長に一言言いに行くと僕の話が載った教科書を見せてもらった。
相手のレスラーがとてもひどいことをしたようになっている。
これが俗に言う「補修」か、酷いもんだ。
これではあまりにも相手が可哀相なのでお墓を参ってやることにした。
相手の遺族と俺の親がふざけ倒して相手レスラーのお墓は青森県の形になっていた。
空から死んだあいつが「弱ったなあ」といってるような気がした。