俺は学年が上がるごとに不思議に思うんだ。何故、俺(渡辺)はいつも出席番号が最後なんだ?今年も35人クラスで35番だった...どうして一番になれない?先公が俺の番号アップを阻んでいるのか...こうなったら自分で目指すしかないな...上ってやつを!...ってな訳で手始めに34番の若山から撃破していくことにした。まぁこいつは楽勝だった。国語の時間に延々とハンムラビ法典を詠んでやったら勝手に昏倒した。ちょろいな。33番の吉田にはヒンドゥー教の教えを理科の時間に延々と説いてやった。開始5分で撃破。...と、まあこんな感じで三日目にして15番の席に居座っている俺。今だかつてない恍惚に震える。クラスの中心にいる...俺が...。だが感傷に浸っている場合ではない。このペースを維持するんだ。...そして、ついには6番...片岡をも下した。こいつは手強かった。まさか消しゴム3個分の消しカスの嵐を受けてもなお健在とは...骨の折れる相手だった...ついに窓際最後尾の5番岡崎。中々のツワモノだが先公が俺目掛けて投げたチョークをかわしたら、こう上手い具合に直線上にいた岡崎にヒット。ようやく5番の座まで来た。岡崎に比べたら前の奴らは雑魚だ。給食の時間に一発ギャグで牛乳を吹かせ一芸の下に下してやった。...長かった道のりも後一人。前の赤井を下せば俺が一番だ...!...が、赤井の野郎...スキを見せねぇ。なんとしても一番を死守する気か...。だが甘い。教師に指名され起立をした瞬間、俺は奴のケツ穴を貫いた。赤井は昇天した。...夢にまで見た一番。だがお堅い教師共が黙っていなかった。職員室に呼ばれ担任が重苦しい雰囲気で告げる。 「前から話してあった転校の件なんだが...」