俺はジントニックの残りを1階の共用トイレまで流しに行く
グラスの縁についたあぶくを見ているとたちまちやつの一挙一動が蘇ってくる
心の目で螺旋を下る 細胞は遠くのほうで点滅する青緑色を見つめている
ジンが作る波紋を見ながら俺はふと死のことについて考える
様々な映像がスライドする それが記憶の断片なのか幻想なのかすらわからぬまま
河原でバーベキューする親子連れ はやがてネズミの群れが弱り果てた猫を貪る映像に変化し
やがてピットインした真紅のF1が増殖したピットクルーによって美しく破壊されて行く場面に変わる
軋んだ音、鉄と鉄が擦れ合う音が脳裏に響く 死と美 死と美は本質的にはそれほど違いは無く
そして 今は俺に取ってそれが実感できる唯一の瞬間だっ・・・カリカリカリカリカリ
ジャーマネ
「なーに書いてるの?」
「うわっ何でもねエよ!」
「ほうほう、こーゆーのがお好きですか」
「いっ いけねーのかよ」
「ふう〜ん」
「なんだよ」
「ほぉ〜う」
「い、言いたい事あるなら言えよ!俺だってマジでやってんだろ!」
「好きだよ」
「えっ・・」
「キスしていい?」
「ちょ、ちょっと待てまだネタのオチっ ・・・・ン・・・・チン」