「やめといたら?」
男(・・・マジであるんだなこういうの。)
「やっぱ死ぬんだ・・・。」
男(・・・うん。)
「俺人死ぬとこ見るの初めてだわぁ〜。」
男(止めないのかよ。)
「どうやって死ぬの?」
男(・・・何個あるんだこれ。)
「縄持ってるって事はやっぱ首吊り?最近のトレンドだよね。」
男(自殺に流行なんてあるのか。)
「俺は水死が一番ナウいと思うけどなあ。今週8位だったけどさ。」
男(8位?なんの順位だそれは。)
「今週のランキング見てねえの?ジサ通の。」
男(不謹慎だろ。マジであんのかそんなの。)
「首吊りなんて色んな液体が出るらしいぞ・・・。13P読んでみろ。」
男(持ってねえから。)
「お前が死んだ後の残される俺の身にもなれよ。臭いじゃねえか。」
男(臭いだけか。俺の気持ちも考えてくれ。)
「それに比べて水死は・・・美しいよね。」
男(何が。)
「こう女性がスーッと沖に向かって歩く画とかさ。」
男(ドラマの観すぎだ。)
「まあお前が女性なら俺は首吊りを勧めてるんだけどね。」
男(色んな液体が出るからか。変態だな。)
「変態とかねえよ看板だから。」
男(そりゃそうだ。)
「なあ・・・。この先で右に行ってくれないか?」
男(どうした急に改まって。)
「それがお前のためにも俺のためにもなると思うんだ。」
男(・・・まさか俺にまだ生きろと?)
「頼む!ここだ!右に行ってくれ!」
男(・・・分かったよ。なんか死ぬのも馬鹿らしくなってきたしな。)
「はい到着〜。」
男「川かよ!」