「おにいちゃん、おにいちゃんはもうすぐ死んじゃうの?」
まだ小学校にあがったばかりの妹が目に涙を浮かべてといかける。僕は返事が出来なかった。「大丈夫だよ」と言ってあげられなかった。
両親は妹が生まれてすぐに交通事故で死んだ。こいつにはもう俺しかいない。妹を施設に連れて行く前に、何か俺に出来る事はないだろうか。
そうだ、残りの3日間で妹に歌を送ろう。一緒に過ごすはずだった何十年分の想いを込めて。
月明かりが眩しい人生最後の夜、僕はギターを握りしめて、古びたラジオカセットを前に歌った。
そして、僕は死んだ。
ザザーザ…ザー ガチャ
あーあー、お兄ちゃんです
これからは天国でお前をずっと見守ってるから寂しくても泣いちゃだめだよ。
歌をつくったんだ、どうしてもお兄ちゃんに逢いたくなったら、この歌を聞いてお兄ちゃんを思い出すんだよ
『ごめんね〜いくつもの夜を越えて〜』
君が生まれた日の事 想い出して
僕はずっとね 笑ってられる
君が生まれた日の空が 夜になって
僕はそこでね 星になるよ
例えば 昨日を 思い出して悲しくても
僕が いつも 側にいるから
You're my destiny
君を初めて抱いた夜 小さな手を握りしめて
深く結びあった誓い 忘れてしまってた
Oh my destiny
神様ごめんね ほんとは 星になんてなれないんだ
あの日君と ひとつになって 大人になって
lalala...
神様ごめんねほんとは 星になんてなれないんだ
あの日君と ひとつになって 大人になった
it's my life year...
Oh my love...