ばいきんまんがいつものようにアンパンマンにやられ、自分の隠れ家でバイキンUFOを修理中、偶然タイムトラベル装置を作ってしまう。
ばいきんまんは、これを使って過去へ行き、アンパンマン誕生を阻止しようと目論む。
しかし、偶然できたものゆえ、上手く操作出来ず、遥か古代へと飛ばされる。
そしてばいきんまんは微生物たちの進化の過程を目撃し、そこで気づく。
自分自身を構成するばい菌と、アンパンマン達を構成するイースト菌とはホンの些細な進化のズレがあっただけで、元は同じ存在であったことに。
今ここで自分が進化に介入すれば、未来は変わる。
ばいきんまんの頭の中に、迫害される自分の姿と、仲間達と楽しそうに語らうアンパンマンの姿が浮かぶ。そして彼はある決断をし、元の時間へ戻る。
そこでばいきんまんは歓待を受ける。ここは、ばいきんまんの作り変えた、ばい菌が善玉菌になっている世界だったのだ。ここでは彼はアンパンマンと同じ正義のヒーローだった。皆と仲良く心地よい時間を過ごすばいきんまん。しかし、やがてそこに据わりの悪さを覚える。ただ自分が善玉菌だというだけで中身はまるで変わっていないのに、こんな待遇を受けていいのだろうか。否、否、否!
ばいきんまんは再びタイムマシンに乗り込む。歴史を元に戻すために。
そして、帰ってきたときには、有害なばい菌である本来の自分として、皆と仲良くする努力をしようと決意するのだった。