人類、なぜ直立二足歩行に進化したの?
1. それが人類の進化に大事だったの?
国立科学博物館の馬場悠男名誉研究員(元人類研究部長)は「直立二足歩行がすべての始まり。これがなければ人類の今はなかった」と話している。まず直立して両手を使うようになり、その後だいぶたってから脳の発達や道具の製造、言語などにつながったんだ。約600万年前のアフリカにいた人類の祖先、猿人はすでに直立していて、約300万年前には完全な直立二足歩行になったそうだよ。
2.どうして直立二足歩行するようになったの?
いろいろな説があって、決定的なものはない。ただ、馬場先生によると、物を運ぶようになったからという「運搬説」が有力なんだ。人間でいうと中腰のような前かがみの格好で重い物を長く運ぶのはバランスが悪くて大変。だけど直立して運ぶのはそれよりも楽だからね。
3.いったい何を運んだの?
オスがメスに気に入ってもらおうとして、食べ物を持って行ったという「プレゼント仮説」が考えられているそうだ。「子育て仮説」とも言う。子供を育てているメスのところにせっせと果物や肉を運んだのかもしれない。また、原始的な道具として木の棒や石を持ち歩いたという説もあり、両方の説が同時に起こった可能性もあるそうだよ。