君が、夜の波をみて、わらって
私は、貝殻で砂を、すくった
海の香りが、僕らを急かす
そんな夜
ベテルギウスはもう無いのだと、
汚れた物は潰されて行くと、
アスファルトに潰されて行くと、
どんなに離れてても君を感じてると、
君は言った
どうして全て、コブクロの「ベテルギウス」のパクりなのかと
ツッコむ余地も無いほど、まっすぐに
君は私の手を取って、砂浜の中を走る
大人になんて、なりたくなかった
だから、私も走った
「ゆるいよな、俺たちの人生」
君の視線が私を貫く
私は否定も肯定もせずに空を仰いだ
どこにも行けないんじゃなくて、私は、
どこにも行かないのだ
君の体温が、吐息が、近づく
「誰も見ちゃいないさ、さあ」
私はせめてもの抵抗で、頭を横に振る
「お月様が、見てるじゃない」
君は笑って、私を抱き寄せる
ああ、今夜も駄目だ
私の大事な物は、全て君に奪われる
私のゆるゆる銀行は、君の手によって
既に突破されてしまったのだ。