俺が小学三年生の時のことだった。
転校してきたばっかりで、友達もあまりおらず、趣味は縄跳び。
そんな俺にある時チャンスが訪れた。
そう、県が主催する「第一回こども縄跳び大会」である。
「これだ!これで優勝すれば、みんなにチヤホヤされる!」
そう考えた俺はすぐにエントリーした。
そして大会当日。
参加者はみんな猛者であることが見て取れた。持っている縄跳びも、持ち手が青くてシュッとしているタイプの物だ。
が、それにビビらないくらい俺には自信があった。
ーやってやる!ー
『それでは始めてください!』
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無心で飛び続け何時間経っただろう。
ついに二つの縄の音以外何も聞こえなくなった。
残っているのは俺ともう1人。
相手は6年生、倒せば日露戦争ばりのジャイアントキリングである。
会場中が息を呑んで見守った。
と、その時
パチッ
一方の音が途切れた。
倒れたのは相手、足は震え、涙が頬を伝う。
優勝が決まった。記録は13846回。
いてもたってもいられず、歓喜に沸いた俺は叫んだ。
俺「っしゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
茶に染まる表彰台。ざわめく観客。慌てる俺。
かくして、この大会は伝説になった。