いいかい、これは伝言ゲームだ。私はこれから上司と部下ではなく、ともに勝利を目指すチームメイトとして君の耳元でメッセージを囁く。決してセクハラでもパワハラでもない。多少は吐息もかかるかもしれないが、それは物理的に仕方のないことなんだ。わかってくれ。ああ、こんな説明をしている間にも隣のチームはどんどん先へと進んでいく。あの髭ダルマに負けるわけには絶対にいかないんだ。だからお願いだ、忘年会のエレベーターで君のつむじを嗅ごうとした話をここで蒸し返すのはやめてくれないか。もちろん本当に悪かったと思っている。あれからだいぶ強い研修を受けた。今ここにいる私は生まれ変わった別人だ。信じてくれ。頼む、君のシャンプーを、そうじゃない、耳元を拝見してからの、ああああそのだから、たかしくんが、たかしくんが1個70円のミカンを、いやオレンジだ、オレンジを何個か買って。しかもリンゴを買い忘れて、くそっ、こんな情報にどれほどの価値があるのか。こんなことで我々は幸せになれるのか。