定食屋にて
貧乏人「50円しかないんだけど満腹になれるものを食わしてくれないか」
オバチャン「50円じゃ無理だね。せめて100円あればどうにかなるんだけど」
貧乏人「それなら俺が残りの50円になるよ。前に『あなたの価値は50円です』って診断されたことがあるんだ」
オバチャン「しょうがないねぇ。それでいいよ」
オバチャン「はい、『質より量定食』だよ。後で働いてもらうからね」
貧乏人「どうも」
貧乏人「いただきます」
漬物「ちょいと待ちな少年」
漬物「君は今、自身を金銭として扱いそして支払われた。よって君は購入者にはなれない。上着と林檎を交換してもらったのに林檎が上着のものになるなんてありえないだろ」
貧乏人「それじゃあ、これは誰のものになるんだよ」
漬物「所有者がいないから誰のものでもないね」
貧乏人「ええっ?」
鮭の切り身「つまり俺たちは自由ってこった」
貧乏人「待ってくれ」
味噌汁「あばよ」
貧乏人「うう、みんな行ってしまった。あれ?」
ご飯「あの………………」
貧乏人「なに? どうしたの?」
ご飯「何の味付けもされてない私ですけど、それでもいいと言うのなら」
ご飯「どうぞお食べください」
ご飯「その…………おかわりは自由ですし」
貧乏人「ありがとう」