女子「私の父が祇園の芸妓を一晩8万円で買って産ませた子供が彼です!」
男子「知りませんでした!」
女子「その後芸妓は父を頼って上京してきましたが父に拒絶されて自暴自棄になり彼を聖ヨハネ養育園に預けました!」
男子「知りませんでした!」
女子「1年後彼を里子として迎え入れたいという裕福な老夫婦が現れました!」
男子「知りませんでした!」
女子「しかしそこで再び実母である芸妓が現れ、あろうことか老夫婦に金銭を要求したのでした!」
男子「知りませんでした!」
女子「老夫婦は彼を養子に迎える事を諦めました!」
男子「知りませんでした!」
女子「3年後彼は交通事故にあいました!」
男子「知りませんでした!」
女子「彼は頻死の状態でした!手術には莫大な費用がかかります!」
男子「知りませんでした!」
女子「養育園にはそんなお金はありません!」
男子「そうだと思います!」
女子「養育園は実母である芸妓を探し出しなんとかお金を出して貰えないかと頼みました!」
男子「知りませんでした!」
女子「横須賀で情婦になっていた実母は知らぬ存ぜぬの一点張り!終いには養育園に金を貸せと言い出す始末!」
男子「知りませんでした!」
女子「その時ロサンゼルスでの研修を終えた腕利きの外科医が無償で彼の執刀すると言い出したのです!」
男子「知りませんでした!」
女子「それが私の父です!」
男子「知りませんでした!」
女子「手術は大成功し、その後彼は貧しいながらも心が清らかで優しいパン屋の夫婦に養子として迎え入れられました!」
男子「そこらへんからはっきりと記憶があります!」
女子「父は今でも彼の誕生日になるとメッセージカードと花を送ります!」
男子「はい匿名で送られてきます!」
女子「実は彼を一番愛してるのは父かもしれません!」
男子「なんだかんだで感謝してます!」
女子「私は彼が憎いです!」
男子「知りませんでした!」