近所でも有名な綿棒おじさんがいる。僕たちは略してMOZ(モッズ)と呼んでいる。MOZはいつも全裸姿で、アナルに何十本もの綿棒を差したまま街中を徘徊している。気味悪がって誰も声をかけたがらない。そんなある日、僕は好奇心からMOZの綿棒を一本抜いてみた・・
タカシ 「あれ?この綿棒、マーガリンの臭いがする」
MOZ 「ハヂミヅ食べだい・・ハヂミヅ食べだい」
タカシ 「もう一本、えいっ!こんどはジャムの臭いがするぞ??」
MOZ 「ハラへっでぎだ・・ハヂミズ食べだい」
タカシ 「ハヂミズ、なんの事だ?それ同時に二本だ!うひゃ、今度はチョコとピーナッツ!」
MOZ 「もうダメ・・ハヂミヅ食べいぐ」
MOZはそう言うと、近くのパンサキ山に向かって歩きだした。推測するにMOZは天然のハチミツを食べた後、その成分をマーガリンやジャムなど、さまざまな成分に体内変換できる能力をもっているようだ。どのように体内変換されるのか?なぜ綿棒が必要なのか?僕はその謎を解明すべくMOZのあとを追った。
MOZ 「あづづ・・山が・・山が燃えでる・・」
タカシ 「大変だ!すぐに消防車呼ばなくちゃ!」
MOZ 「間に合わない・・オマエ、綿棒抜ぐ」
タカシ 「えっ?」
MOZ 「オマエ、綿棒抜ぐ・・全部抜ぐ!」
タカシ 「全部抜いたら、もしかして、おじさん死んじゃうんじゃない・・」
MOZ 「もう間に合わない。早ぐ抜ぐ!早ぐっ!」
タカシ 「わかった。おじさん絶対死なないで。僕たちの山を守ってね。えいっ!」
MOZ 「ぐぅわあああああああ」
タカシ 「おじさーん!!」
MOZ 「・・スッギリしだ」
MOZはそう言うと、山の中に隠してたランチパックをムシャムシャと食べ始めた。
それから数日後。今思えばMOZはランチパックのことをハヂミズと呼んでいただけだった。山火事の原因については未だ不明だが、山の中から身元不明の焼死体が一体見つかり、全身に殴打の跡が見つかったそうだ。