「あー力でねえ。もう1改行も出ねえ。みんな、ごめんな。ばいばい。」これが改行くんの最期の言葉でした。この町の改行を守ってきた改行くんは、もういません。これからこの町はどうなるのでしょう。 スペースくんです。 スペースくんがやってきてくれました。 スペースくんの登場に町のみんなは沸き立ちました。 しかしすぐに熱気は冷めました。確かに少しだけ文章は見やすくなりました。 だけどスペースくんは隣町の正義の味方です。 時期にこの町から居なくなることでしょう。 その事に町のみんなは気付いたのです。
おや、今、改行しましたか。
「改行くんはもう居ねえんだ。」
「これからは俺たちが力を合わせて改行していくんだ。」
かつてない町の危機に町のみんなが立ち上がったようです。
「あたしもかいぎょうするー」
こんな小さな女の子もがんばって改行しました。大人顔負けの改行です。
「改行くん・・・・・」
顔を涙でくしゃくしゃにしながら改行してくれています。
「こ、これは仕返しなんだからな。」
改行くんに名前の途中で改行されて、テストの点を0点にされた男の子も改行してくれました。
「しょうがないな。」
一万札の下2桁を改行されていて通貨偽造の罪で捕まった『100円の銀次』も改行を手伝ってくれました。
他にもたくさんの人達が精一杯の改行をしてくれています。
この状況に スペースくんも ただただ 驚くばかりです。
すこしお茶目な面もあったけれど、この町のみんなは改行くんの事が大好きです。
この町は今、みんなの想いのこもった改行であふれ返っています。
しかし、それを邪魔する者がいます。
それは、私です。
ナレーターである私がいなくなれば、今だって20行も30行も連続で、改行くんのような綺麗な改行になっていたでしょう。
私が町のみんなの状況を説明する限り、この町本来の改行は見|ことは|きない|で|
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おや、これ|なんで|ょう|
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み|なの想いを込|た改行が、ひとつ|ラインとな|てわた|の文章を消し|いるようで|
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ああ|改行です。
改|
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そして、みんなの想いはひとつに―――
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