シェルターの最深部には高級官僚御用達のツンデレ喫茶がある。
ほら、コーヒーよ!
これ飲んでさっさと仕事に戻りなさい。
え、次の仕事はイラクへ視察に行くですって?!
ふ、ふんあんたの顔を見なくてせいせいするわ!
ばっ馬鹿、何笑ってんのよ!!
っ!?…ごめん何でもない…。
昔の傷が…疼くだけ…。
そんな心配そうな顔しないでよ。
もう大丈夫よ、あんたに助けられたあの日から強くなるって決めたんだから。
…ねぇ、次の仕事って本当は戦争を止めに行くんでしょ?
馬鹿、ずっとあんたを見てきたのよ。
それくらい分かるわよ。
馬鹿でスケベで鈍感で…そのくせ正義感が強くて他人の傷には敏感で、自分の幸せより他人を優先する。
あんたって救いようのない馬鹿よね。
ま、そんな馬鹿に惚れた私も相当の馬鹿だけどね。
大丈夫、別にあんたを止めたりはしないわ。
でもね、一つだけ約束して。
必ず…必ず帰ってきて。
私を待つだけの女にさせないで。
…それだけ…お願いね。
うん、行ってらっしゃい。
………信じてるからね。