「……ダメだ。こんなんじゃない。こんなの爆弾じゃない」
「え、どうした?」
「あのさ、爆弾ってのはさ、もっとこういかつい感じのものだろ?」
「いや、別に決まってねえよ。爆弾は全部爆弾だよ」
「これコード一つだぜ」
「え?」
「一択だぜ」
「……いいじゃん!むしろ好都合だろ早く解除しろよ」
「何のスリルもありゃしない」
「お前は何を求めてんだ」
「だからさ爆弾ってのはさ」
「いいよその爆弾観は。早く解除しろよ」
「真の達人ってやつはさ」
「何?何の話?」
「例え相手が格下の相手でも決して手を弱めることはしない。ってことだ」
「どういうことだよ。着地点おかしいだろ」
「ぜんじろうが言ってた」
「それただの科学の人じゃん!」
「とにかく、こんな爆弾オレは爆弾として認めない」
「お前が認めなくても爆弾なんだよ!ほらタイマー5分きってるって!」
「誰かの誕生日ってことにすりゃいいじゃん」
「無理だよ。ドッカーン、わーありがとー、ってならねえよ」
「ハッピバースデーディアー
「ドカーン、てそれもうテロだよバースデーテロだよ」
「インドはさ」
「なになに今度は何」
「人が多いんだよ」
「何の話だよ!」
「ぜんじろう
「は言ってない!いいから爆弾!」
「オレ、サラリーマンなるわ」
「急展開!」
「サラリーマンなって、ちょいちょい爆弾解除するわ」
「今しろよ!てかサラリーマンなる意味は!」
「給湯室でお茶淹れるわ」
「爆弾は!せめて爆弾関係でいろよ!」
「じゃあ給湯室で爆弾作るわ」
「それもう単なるテロリストだし!つうかもういいよ俺がやるよ!」
「ちょっと待て、インドのことわざにこんなのがある」
「知らない知らない知らない」
「北乃きいは可愛い」
「しらねえよ、そんなインド死んじまえ」
「きい、が平仮名なのが特にいい」
「どうでもいいわ……っておい、これ。この爆弾」
「どうした?」
「スイッチ式だ。OFFにすれば止まる」
「「こんなの爆弾じゃない」」