どんな時も、カレの左手には私の右手。
付き合い始めて二ヶ月、それが私達がデートする時のルールになっている。
カレ「映画面白かったね」
私「うん、また観に行こうね・・・あれ?」
カレ「どうかした?」
私「ほら、あそこ。車道の真ん中に誰かが立ってる。」
ここの道は車通りこそ少ないものの、猛スピードで走る車が多い危険な道だ。人一倍正義感の強いカレはその人に声をかけた。
カレ「ヘイ、メーン!!」
カレ「そこは、クルマが通る道です。クルマが通るから危ないですよ」
???「おっと、これはこれは」
カレの声に気付いたその人は、ひらりとガードレールを飛び越え私たちの前に着地した。
???「ご親切にどうもありがとうございます。なにぶん、地球の道は初めてなもので」
私「あはは、まるで宇宙人みたいな口ぶりですね。」
宇宙人「そう、私は宇宙人です。地球の皆さんと仲良くしたいと思ってます」
いつの間にかカレの右手は宇宙人の左手、私の左手は宇宙人の右手を握っていた。地球人と宇宙人が入り混じった輪は、さながら異星間交流の象徴のよう。
宇宙人「踊りませんか?」 カチッ
宇宙人が腕のスイッチを押すと、優雅なワルツが流れ始めた。
〜♪ 〜♪
〜♪ 〜♪
〜♪
〜♪
∞⌒ヽ /⌒ヽ
/ 冫、) ./ 冫、)
/ ` / / ` /
/::::::::::::;\ /::::::::::::;\
// |:::::::::::: l | //´|:::::::::::: l |
| | /::::::::::::/| | // /::::::::::::/| |
U |::::::::::/ U U |::::::::::/ | |
|::::||:::| | | | | |::::||:::| U
|::::||::| | /⌒彡/ |::::||::|
| / | | / 冫、) | /.| |
// | | | ` / // | |
// | | | /| | // | |
// | | // | | // | |
U U U U U U
曲が終わって初めて、私は自分の右手が自由になっているのに気付いた